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邪曲 [06月]

なぜか
苦しい道ばかりを選ぶ

頭はやめろと止めるのに
それに従うつもりがない

そうじゃないという赤信号に
止まれの意味はないらしい

どこまで続こうと
いつまでかかろうと

道の終わりは
誰も決められない

その瞬間さえ
きっと来ないと

どこか願い想いながら

今日が明日と繋がる

この瞬間を何と呼べば
幸せだと気付けるのだろう

変わらぬ律動が永遠に続き

また同じ夢を見るために
目を閉じて

先の見えない螺旋階段を
上り続ける

知らぬふりをしながら
笑顔で応えては

これでいいでしょうって
正解を生きているふりをして

涙なんか
気にならないはずだった

ああ
またかと

崩れ落ちることさえ

どこか計算尽くで

痛みさえ伴う
強い渇望感に苛まれても

触れるのは
空っぽの現実だけ

一体何を欲しがったら
満足できるだろう

救いなんて
あるはずもなく

泣きたいほどの
想いを抱えながら

今日も変わらず
何も感じず

今が終わっても

それを
終わりとは言わない

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忿懣 [06月]

残酷なほど
憎たらしいのに

暴虐なほど
忌々しいのに

痛みも

恐れも

胸を貫く
強烈な刺激

記憶を抉る
勁烈な激情

心を引き裂いて

塊を食い千切る

針の筵で
踊るように

君に届けばいい

絶望の涙は
血の味がする

僻遠の地で
歌うように

君を愛せればいい

銷魂の夢は
華の香りがする

しゃぶりつくした
骨の味は

もう
忘れられないだろう

舐め回した
肌の熱は

もう
離れられないだろう

烈火のごとく
身を焦がし

紅蓮ゆかしく
魂が焼ける

君を味わうほどに
遠くなる

全てが燃え尽きたら
何が残る

この現状に
立ち向かえ

忌まわしい詛呪を
打ち砕け

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誓約 [06月]

大事なことは
いつだってこう

上手くできない

大切なことは
どこだってこう

上手くいかない

僕の心は
どこか

簡単じゃなくて

君の心も
なぜか

複雑だよね

ちゃんと
噛み合わなくても

触れ合うことは
できたでしょう

こうして
すれ違いながらも

愛し合って
いるでしょう

僕の泣きそうな心に
すぐ気づくよね

君の零れる涙は
僕が拭うよ

僕の誓いは

君を幸せに
できるだろうか

君が幸せなら

僕は幸せだと
誓えるよ

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様相 [06月]

これは私の心で

これが僕の体で

誰にも自由に
させたりしないし

誰でも自由は
自分で決める

私じゃないあなたが

僕を傷つけて
いいはずがない

他人のあなたが

私を壊して
いいはずはない

笑うことだって
泣くときだって

僕が決めて
私に従う

誰の指図も受けないし
誰の命令も意味はない

私は自分に責任をもって
生きている

僕は自分の責任の上で
生きていく

もう誰にも
邪魔させたりしない

もう誰にも
屈したりしない

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雨搦 [06月]

凍て付くほどの寒さの方が
幸せを感じることがある

消せない傷のような過去の方が
幸せに気付くこともある

歩みを止めたわけじゃない

赦されないと

痛いほど
分かっているから

誰かのせいにするつもりもない

仕方がないと

何度でも
言い聞かせるから

こうやっていても
生きている

立ち止まっていても
風が触れる

独りのはずなのに
誰かの存在を感じて

もういないはずなのに
あなたの記憶が甦る

忘れてしまった夢の続きには
きっとあなたがいるから

今日も瞳を閉じる

もう一度だけでいいから
あなたの全てが欲しくて

明日も祈るように生きる

濡れるばかりで
何も叶わない

騒めくばかりで
何も届かない

いくら握りしめても
其処に温もりがないのなら

きっと私は
生きていないのだと

いくら愛しても
此処にあなたがいないのなら

きっと私は
生きていても仕方ない

澪標 [06月]

夢のように儚くとも

雪のように脆くとも

あなたの傍にいる事実に
変わりはないでしょう

あなたの愛に触れていると
信じてもいいでしょう

痛みさえ
愛おしいと感じるのは

あなたに惹かれているからで

暗闇さえ
輝きに満ちるのは

あなたに囚われているからで

自由にしてなんて言わない
赦してなんて願わないから

あなたに触れていさせて
あなたを愛させて欲しい

こうしていて
ときめかないはずがない

あなたといて
うれしくないはずがない

あなたとなら
ふたりなら

いつまでも
どこまでも

傍にいられるように
このままいられるように

陽炎 [06月]

壊れてはいけないと
自分で支えることが辛くて

もう堕ちてしまいそうで

誰かに
縋りたくなる

誰かに
支えてもらいたくなる

いけないと
分かってるし

いけないと
心は叫ぶけど

もう立っていられなくて
もう笑っていられなくて

もうどうしたらいいのか
全くわからなくて

こんなにも苦しくて
どこまで進めばいい

こんなにも悲しくて
何を信じればいい

生きていくには
余りにも弱く

何も掴まずに
ここに立つことは

斃死しろと
言われていることと
何ら相違ない

生まれ落ちた
その日から

それぐらい自分には
人生が
辛いものでしかなった

楽しいことも
喜ばしいことも
愛したことも

幾らでも
あげられるけど

それは自分の
満たされない何かを
埋める道具ではない

もういらないと
棄ててしまおうとしても

いつも邪魔が入る

これを
運命だと
宿命だと
言う人がいたけど

だから
どうしたと

生きていることに
意味などないのに
必要などないのに

どうして
まだここにいる

こんな自分なんて
壊してしまって
構わないのに

覆載 [06月]

繋ぐのなら
あなたへの言葉は

届きそうで

それなのに
あなたへの想いは

届かなくて

それでも
あなたへの愛を

届けたくて

想うだけで
いつでもあなたに

逢えそうで

感じるだけで
夢の様なあなたに

逢えなくて

愛するほどに
溺れるあなたに

逢いたくて

どんなに欲しがっても
今はあなたの全てを

知らなくて

ただもっと
今よりあなたを

知りたくて

それでも昔から
今だってあなたの愛なら

知っている

止め処もなく
降り頻るくらいに

愛してる

際限もなく
零れ落ちるほどに

愛してる

留まることなく
満ち溢れるほどに

愛してる

羅針 [06月]

愛してるの
言葉の数だけ

あなたの
傍に居れるのなら

愛してるの
想いの量だけ

あなたの
笑顔を見れたなら

きっともっと
愛していることを

ずっともっと
愛し続けることを

伝え続けるから
届け続けるから

忘れないで

あなただけを
愛していることを

覚えていて

あなたしか
愛していないことを

あなた以外の
愛はいらない

あなただけの
愛があればいい

こんなに大切だと
これが愛だと

言える何かが
伝える誰かが

他に在ったとしても
何処かに居たとしても

それは
あなたが居たから

それは
あなたを愛しているから

愛というものを知った
愛というものに気付いた

全てがあなたを
指し示すのは

全てをあなたが
与えたから

あなたに愛を

心からの愛を

惹起 [06月]

あなたに
抱かれたら

こんなにも感じるし
甘い声が漏れるから

そんなに
面倒なことじゃない

あなたを
抱いたなら

ちゃんと愛してあげるし
甘い声で囁くから

そんなに
難しいことじゃない

あなたを
縛るものは

簡単に
与えてあげらえるけど

飽きるほど
差し出してあげられるけど

恍惚の貌で

溺れても尚
私を求めていて

乱れても尚
私に従順で

何があなたを
そんなに縛るのかは

未だに分からなくて

気怠さを残しながら

それでも
私に愛を注ぐ
理由は何

あなたが
私の傍にいる
理由は何

私には分からなくて

あなたの愛を感じる
確かな何かが欲しいのに

あなたから渡されるのは
締め付けるような痛みだけ

わけが分からなくて

はぐらかすかのように
身体を重ね続ける
誤魔化し続ける

傷つきたくないから
知りたくないから

強烈な偸安は
陶酔するための秘薬

全てが
どうでもいいと
どうにでもなれと

全てを
棄ててしまえる
壊してしまえる

何にでもなれるような
何でもできるような

見たことのない
感じたことのない

錯覚が
幻覚が

全てを取り巻くから

これが愛じゃないとしても

あなたをくれるなら
私をあげる

私には
あなたしかいないから

私は
あなたしかいらない