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畢竟 [04月]

誰かが
辛いと泣く夜に

希望を忘れないための
灯になりたい

誰かが
苦しいと戸惑う日々に

道を外さないための
標になりたい

僕にください

その全てが
僕のものだと信じさせて

君をください

君の全てが
僕のものだと信じたい

独りで泣きたくなる時は
僕のことを思い出して

独りに押し潰されそうな時は
僕の名前を呼んで

独りじゃないと
僕が証明してみせるよ

愛されていると
僕なら証明できるよ

周りの全てが
敵に見えても

僕だけは君の傍にいる

光の全てが
消えてしまっても

君だけは僕の傍にいて

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漂零 [04月]

離れた手が

宙を彷徨う

もう
戻らない

事実が
苦しめたとしても

抗うすべなどない

これから何に

救いを

求めればいい

甘い記憶が

心を巣食う

もう
戻せない

未来が
消えたとしても

立ち向かえない

これから誰に

縋り

願えばいい

廻る

くらくらと

めまいのように
現実は変えられない

巡る

くだくだと

人生のように
生命は止められない

闇に

隠れてしまえば

現実の身体だって

消えてなくなるのではないかと

淡い期待を抱いた

砂に

まみれてしまえば

架空の魂だって

穢してしまえるのではないかと

儚い望みを託した

この手は

もう
何も掴めない

それでもいいから

また触れて

以前のように

忘れずに
まだいるから

この心は

もう
何も響かない

それで構わないから

また微笑んで

昔のように

忘れられずに
ここにいるから

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花脣 [04月]

愛を
愛と

呼ばなくても

愛は
愛に

変わりはないのに

その名に
こだわって

その言葉を
求めている

愛していると

あなたに
伝えられればいい

愛していることが

あなたに
伝わったらいい

大切なことが
何なのか

見失っても

大事なのが
誰なのか

消えてしまっても

いつだって

あなたまで
迷ったりしない

どこだって

ここに
立ち戻る

愛を
止められないのなら

心が壊れたらいいのに

愛を
忘れられないのなら

心なんていらないのに

こんなに辛いのなら

嘘も
真も

全部
消してしまえればいいのに

こんなに悲しいのなら

わたしも
あなたも

全部
なくなってしまえばいいのに

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素懐 [04月]

夢だけを見て
生きられるのなら

それが望みだと
言ってしまえばよかった

触れ合うほどに
愛おしくなるなんて

馬鹿げた感覚を
信じようとはしなかった

あなたはここにはいない

私が消してしまったから

なのにあなたの温もりを感じて
こうしてあなたの香りを纏う

閉じたはずの手を広げるとき
今度は何を掴めるだろうか

大切な人を失って
全てを閉ざして

心は歪み
嘘を信じた

泣き疲れて眠る夜は
必ずあなたの夢を見る

心の軋みになんて
耳を傾けたりはしない

涙の痕なんて
気付くこともない

目覚めた後の腫れた眼は
夢が終わったことを告げる

あなたを奪わないでと
心から願った

この夢から覚めないでと
何度も祈った

冷たい頬は
全てを壊す

凍えてしまえと
言わんばかりに

夢見ることさえ
赦されないのか

愛することさえ
奪われたのに

目覚める前も
目覚めた後も

私は独りだ
ずっと独りだ

夢でもいい

もし触れられるのなら

それだけで
幸せだと思えるのに

幻でもいい

もし愛せるのなら

それだけで
何もいらない

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桜人 [04月]

在り来たりな言葉を
いくらでも君に贈るよ

今の僕には
こんなことしかできないから

ありふれた日常を
いつまでも君と過ごすよ

今の僕には
これが一番大事だから

ねぇもし
これからも

何も
変わらなかったとしても

君は僕の傍に
いてくれるだろうか

ねぇずっと
これからも

何も
特別なことはなくとも

君は僕のことを
捨てないだろうか

ゆくりなくも
今よりももっと辛くて

はしなくも
今よりもずっと苦しくて

それでも僕には
君しかいなくて

それゆえ僕は
君を手放せなくて

この想いは

君の幸せを
奪ってしまうのだろうか

僕の想いが

君の喜びを
穢してしまうのだろうか

もし悲しませることが
あったとしても

これからも僕と居て

もし辛いことが
起きてしまったとしても

これからもずっと一緒に

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湛然 [04月]

負けないと決めた
逃げないと決めた

もう一度立ち上がる
何度でも立ち向かう

あなたがいたから
変わらずいたから

何を失っても
誇りだけは奪えない

何に傷ついても
心だけは変わらない

あなたが一緒だから
強くなれる

共に在るから
前を向ける

強くありたい
守れるように

優しくなりたい
笑えるように

愛になりたい
光になりたい

変わらない強さは
あなたからもらった

見紛うほどの愛を
あなたから知った

触れられなくても
会えなくても

揺るがないと
迷わないと

負けたりしない
逃げたりしない

共に生きると
決めたから

此処で生きると
決めたから

いつだって幸せは
あなたが運んで来てくれる

今だってあなたは
私のそばにいる

言挙 [04月]

夢のように醒めていく

離したくないと
手を伸ばしても

あなたには届かない

好きでどうしようもないって
きっとこういうことなんだろう

幻のように消えていく

消えないでと
追いかけても

あなたには追い付かない

愛してるって溢れるのは
きっとこういうときなんだろう

忘れられなくなるほど
溺れている

あなたのその視線を
外せなくて

壊してしまいたくなるほど
幸せだから

あなたのこの温もりを
守りたくて

この時間が
もう消えてしまいそうでも

この瞬間が
いつかなくなってしまっても

愛したのは
あなただけじゃない

愛されたのも
私だけじゃない

いつだって二人だった
どこだって一緒だった

愛おしい時間も
狂おしい場所も

あなたと二人だった
私たちは一緒だった

気持ちの形が
見えるのなら

触れられるだろうか

この悲しみの理由に

気持ちの重さを
量れるのなら

感じられるだろうか

この幸せの瞬間を

憶念 [04月]

君が呼んだから
此処にいる

逢ったこともない
遥か昔に

確かに僕を
呼んだでしょう

その声で
君の声で

君が見詰めるから
此処にいる

在ったこともない
遠い昔から

確かに君が
見詰めていた

その瞳で
君の瞳で

君が僕を
見つけたんだよ

君が僕に
触れたでしょう

こんなにも
感じさせて

誰よりも
愛させて

戻れなくしたのに
どこにもいない

忘れられなくしたのに
もういないの

棲遅 [04月]

僕の心は

花弁と共に
零れ落ちて往く

もう
元になんて

戻れなくていい

僕の涙は

風花と共に
舞い落ちて往く

もう
傍になんて

居れないんだね

ゆったりと
散り掛る様は

あなたまで
導かれ会いそうで

ゆっくりと
流れ往く先は

あなたへと
辿り着きそうで

心が宿る場所

魂が呼ぶ在処

此処しかないと
生きる棲家を決めた

あなたしかいないと
愛する人を見つけた

願うほどに離れても
想うほどに遠くとも

誰よりも大切な
あなたを返して

僕たちの大切な
ふたりを返して

音色 [04月]

泣いているような
その音を
掻き鳴らさないで

私の心が
悲鳴をあげてしまうから

よく喋る瞳で
私の心を
掻き乱さないで

私の想いが
あなたを探してしまうから

余りにも切なくて
私を壊していく

もうこれ以上
あなたを愛したくはない

何を期待しているの

あなたとだったら

今まで見たことのないものを
見てみたいと思ったから

他の誰ともしたことのないことを
してみたいと思ったから

一度も感じたことのないことを
感じてみたいと思ったから

間違いを犯してでも
あなたが欲しいと泣いた

あなたの腕の中で
あなたの優しさの中で

あなたの愛に溺れた
あなたの愛に甘えた

失うばかりで
なくすばかりで

果てるばかりで
朽ちるばかりで

壊れるばかりで
崩れるばかりで

手にしているものなんて
感じているものなんて

こんな今なんて
こんな私なんて

消えてしまえばいい
終わってしまえばいい

見えない未来に
何を望むの

遠い未来に
何を描くの

見つからない何かを
探しに出たら

きっとまた
あなたに出逢うのだろう

あなた以上の未来を
見つけられるはずもない

見つからないものを
見つけようとして

無駄に時間だけが過ぎていく
馬鹿みたいに壊れていく

それでも
諦められないほど

大切なことだから
かけがえない人だから

これでいいなんて
あなたなんていらないなんて

どうしたって思えない
いくらそう思ったところで

自分の心に
隠し通せるはずもなく

結局はまた見つけようと
必死にしがみついている

手放したいと願った愛に
まだこんなに縋り付いている

今さらあなたを
なかったことになんてできなくて

ずっと
あなたを愛せるのなら

それが
こんなに切ないのなら

これからもずっと
苦しめばいい