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言辞 [01月]

だって欲しかったから

あなたが

あなたの身体が
あなたの心が

本当は何でも良かったんだ

あなただったら

生身の身体を開け放して
僕を受け入れる

魂の抜け殻

知りながら
その容を貪る

他に手段を知らないから

それでも手に入れたいと願った

きっと
あなたのことは
考えていない

好きだから
愛してるから

よく分からないけど

そんな言葉を並べて満足するなら
いくらでも言うよ

好きだよ
愛してる

あなたしか見えない

言葉なんて
実態のない容にしかすぎない

いくら重ねたところで
それが何の証明になるのか

僕にはわからない

でもあなたがほしいなら
あげるよ

それで
あなたを繋ぎ留められるなら

それで
あなたが逃れられなくなるなら

僕にとって大事なのは

あなたが僕の腕の中から

飛び出してしまわないこと
逃げ出してしまわないこと

消えてなくなってしまわないこと

言葉でもなくて
僕自身でもなくて

あなたが夢の様に
覚めたらいなくなっているなんて

今さら僕には耐えられない

一つひとつ積み重ねて
二人の絆が結ばれたとしても

今の僕には
どうでもいいことのような気がして

今は何も考えられないんだ

分かっていることは
ただひとつ

欲しいのはあなた

愛してる

何度言葉を重ねても
足りないくらい

愛してる

だから
もっと欲しい

ずっと
もっと先に進んで

もっとあなたを感じていたい

もっと僕を見て

僕だけを見て

言葉だけじゃなくて

心も
気持ちも

身体や
時間も

何もかも

あなたの全てを
僕のモノにしたくて

自分を抑えられない

もう、抑えようとさえ
思わなくなってしまって

もっとあなたが
あなたの全てが欲しいから

全て僕のモノになって

堕ちて行けばいい
そのまま

誰も止めない

欲望にかられて
自分を見失うなんて

誰にだってあるでしょう

好きな気持ちが先走って
止められなくなる

こんなにもあなたのことが好き

もっと欲しい

まだ足りない

ずっとこのまま
あたためていたくて

心も頭も
感じてしまって
痺れてしまって

もう何も残らない

こんなに近くにいても
こんなに繋がっていても

間違えようのない
この想いを抱いていても

それでもまだこんなに
不安なんだ

いつかあなたを
失うんじゃないかって

ずっと怯えてる

言葉にならない

自分勝手な激情に押し流される

あなたの気持ちが見えないのに
あなたが欲しくて仕方がない

あなたはいつも悲しそうに笑う

その瞳には
誰が映っているの

その心には
何が映っているの

あなたが望むものは何

そんな貌をするのは
きっと僕のせいだね

名残 [01月]

私を包み込み
あたたかな空気を生む

まるで
あなた自身の様に

触れ合い
感じる

二人の

溶け合う
もどかしい狭間

まるで
距離が縮まるかの様に

あなたの
抱き締める腕に力が入る

あなたも
私を感じている証

そう思うだけで
幸せになれる

そう思うだけで
堕ちてしまいそうになる

崩れないように
溺れないように

私を辛うじて
繋ぎ止めるのは

あなたに抱かれている事実

微かな痛みが心地よくて
身体にうっすら残る赤い痕が

記憶から
心から
身体から

消えない
消せない

こんなにも
心を縛り付けて

こんなにも
夢中にさせていることを

あなたは知らない

私はあなたのモノ
あなたは私のモノ

もっとあなたに
奪って欲しいのに

あなたの優しさは
不安にさせる

愛されているのか
求められているのか

このまま
一緒にいていいのか

あなたの優しさが
私の心に

二度と消えない
傷をつける

あなたを想う度に
疼く痛み

触れることさえ
躊躇していた二人が

今はこんなに近くにいる

溺れていく自分が
止められなくて

怖くて怯えた

考えられないくらい
しあわせで

いつか失うんじゃないかと

いつか壊れるんじゃないかと

いつか消えてしまうんじゃないかと

いつからか
不安しか感じなくなった

あなたの薫りが
今も残ったまま
私を捕らえる

あなたの囁く声が
今も途切れず
私を蝕んでいく

あなたの何からも
逃れられずに

とけていく心

ほどけていく軀

とめられない想い

離れたくなくて
放したくなくて

あなたを求めて
あなたしか感じなくなった

あなたしかいらない

あなたがいればいい

あなたがいないなんて
あなた以外の誰かなんて

考えられない
考えたくもない

いつか失うために
今があるわけじゃない

そう願っているけど
そう思えない

いつか二人の関係は
壊れるから

いつか二人とも
消えてしまうから

ずっと
一緒にいることなんて
できないから

少しでも
私にあなたを
刻み付けたくて

真実を求め続ける

目の前から
あなたが消えてしまったら

二度と
会えなくなってしまったら

私はきっと
この記憶だけを
頼りに生きる

いずれ
今感じている

この痛みも
この痕も

忘れてしまうから
消えてしまうから
失ってしまうから

忘れないように
消せないように
失わないように

心に閉じ込める
指で封じ込める

あなたを感じて
溺れた記憶は

誰にも消せない
いつまでも消えない

こんなにも夢中で
こんなにも心奪われているのは

私の独り善がり

愍然 [01月]

求めるほどに
堕ちていくようで

足掻くほどに
穢れていくようで

もう逃れられないと
分かっていたとしても

ここから
逃げ出すことしか
考えられない

もう無駄だと
知っていたとしても

この瞬間を
壊すことしか
できそうにない

全てが
壊れてしまえばいいのに

全てを
失ってしまえばいいのに

それでも
何も変わらないとしても

今までと
何かが変わったとしても

どちらも自分が下した判断で
共に自分が選んだ選択で

それでも尚
自分では満たされない

これからもずっと
自分は満ちることはない

もう取り返せないと

呆れるほどに
涙は零れるけど

もう取り戻せないと

諦めるほどに
闇が巣食うけど

それでも
生きている現実に

それでも
死ねない自分が

生き続けながら
果てていくだけ

生き永らえながら
朽ちていくだけ

懊悩 [01月]

記憶の中で
彷徨うのは

手に出来ない
夢のようなあなた

愛の狭間で
溶けて消えるのは

触れるのこと出来ない
幻のようなあなた

分かっていても
言い聞かせても

探してしまう
追ってしまう

駄目だと
無駄だと

ずっと思ってた
ずっと感じていた

あなたを
欲していると

あなたを
求めていると

あとは堕ちていくだけ
このまま流されていくだけ

ダメだと言い聞かせながら
無理だと懇願しながら

心と身体が
散り散りになっても

溺れ往く様が滑稽で
崩れ往く様が愛おしく

何も望まないと言いながら
失いたくないとさえ願う

何が本当なの
何を選ぶの

答えなど無いのに
正しさなどいらないのに

合紋 [01月]

あなたの愛が
零れてしまいそうだから

いなくならないように
握り締める

あなたの涙が
落ちてしましそうだから

消えてしまわないように
そっと触れる

嬉しいはずなのに
泣きたくなった

泣いてるはずなのに
笑っている

あなたと居るだけで
湧き上がる想いは

何時だって一つじゃない

あなたを想うだけで
染み渡る温もりは

何処だって独りじゃない

息が詰まるほどに
擬しくて

涙で濡れるほどに
狂おしくて

最後の一つは
あなたが持っていて

あなたでしか
埋められないから

ねぇだから
離れないで

ねぇずっと
傍に居てよ

囲繞 [01月]

毎日傷つけば

もう怖くないよね

毎日傷つければ

もう引き返せないよね

いつまで
繰り返せばいい

どこまで
やればいい

そんなつもり
こんなつもり

なかったのに

君のことを
想えば想うほど

増えるのは
傷や後悔ばかり

傷つくばかりで
傷つけるばかりで

どうすれば
君を僕のものにできる

どうすれば
君を独り占めできる

どうしたら
幸せにしてあげられるんだろう

どうしたら
幸せになれるんだろう

いくら考えても
答えなんて見つからなくて

いくら想っても
伝えることができなくて

こんな状態になっても

君のことばかりを想う

今君は何をしているの
今君はどこにいるの

今すぐ君を浚って

僕しか見えないように
僕しか触れられないように

隠してしまえればいいのに

裂罅 [01月]

隙間なく
抱き締め合っても

触れ合うあなたとの
狭間から

輝きに満ちた
あなたへの想いが

こんなにも容易く
零れ落ちていくから

こんなに遠く
感じてしまうのは

触れている熱が
消えてしまいそうだから

どうしたら守れるのか
誰も教えてはくれなくて

どうしたら愛せるのか
私は知らないみたいで

こんなにも
愛おしいと思う気持ちは

誰よりも
慕わしいと感じる心は

愛しているとは
言わないのだろう

恋しいとは
言えないのだろう

何処までも
流されて行けたなら

いつまでも
このままいれたなら

あなたに抱かれて
あなたの腕の中で

あなた以外の何も願わないから
あなたの笑顔を見せて

他のことなど何も望まないから
あなたの声を聞かせて

静かに触れたら
消えてしまいそうで

あなたに触れたら
溶けてしまいそうで

心が震えても
涙が零れても

こんなに辛いのなら
これほど苦しいのなら

きっとこれを
愛とは呼ばない

きっとあなたを
愛してはいない

邂逅 [01月]

愛情の重さを
何で図ろうとして

心の軽さを
何で表そうとして

これが幸せだと
今が全てだと

どうやって伝えればいい
どうやって愛せばいい

温かくて
穏やかで

当たり前で
掛け替えがなくて

輝く木漏れ日のように
眩しい陽射しのように

あなたの笑顔が嬉しくて
あなたの言葉に泣いてしまう

あなたと共にいることが
幸せすぎて

あなたと巡り逢えたことが
奇跡のようで

特別なことなんて
何もないけど

派手なことなんて
何も起こらないけど

変わらない日常が
毎日幸せで

いつでもあなたが
隣に居て

離れて居ても忘れない
近くに居たら離れない

何も望まないなんて
嘘は言わないから

何もいらないなんて
幻を願わないから

このままで
今のままで

ずっと一緒に居させて
ずっと隣に居させて

誰よりも近くで
あなたを守りたい

もっと近くで
あなたを愛したい

安穏 [01月]

安心して
ここにいる

何も疑わず
何にも怯えず

あなただけを
見詰めて

こうして
ここにいる

あなたの愛を
感じていたら

いつしか
この愛を

伝えたいと
返したいと

もっと愛したいと
思うようになった

愛されるだけではなくて
愛したい

守られるだけではなくて
守りたい

あなたが
教えてくれたように

あなたが
導いてくれたように

今の私は
あなたの愛で育まれた

温かな日々も
緩やかな時間も

あなたが
私にくれたもの

あなたの愛の形

優しく
触れることも

穏やかに
包み込むことも

あなたの腕の中にいたから
あなたと共にいたから

これが
愛することだと

これが
愛されることだと

触れることができた
感じることができた

あなたを
愛していると知った

あなたに
愛されていると知った

いつしか
当たり前だと
思うようになっていて

いつでも
始めからそれが
こんなに日常にあって

初めから
感じるものは

今でも
触れるものは

何も変わらない
いつも変わらない

あなたが触れれば
愛されていると知るから

あなたが抱き締めれば
守られていると感じるから

あなたがいるだけで
涙が零れる

あなたといるだけで
愛が溢れる

変わらないと

それが愛だと

教えてくれたのは
あなた

能縁 [01月]

縁は繋がらないと
意味がない

あなたは繋がらない縁を
いつまで探し続けるつもり

縁は切れてしまうと
戻せない

私は切れた縁を
いつまで握り締めるつもり

関係を創っていくことの方が
想いを育んでいくことの方が

大事なのに
大切なのに

まだ探し続けるの
まだ待ち続けるの

この心には
何も触れないでしょう

きっと私には
何も手にできないでしょう

あなたと近づくのに
どんな理由が必要

わたしが進むために
どんな勇気が必要

もっと望めば
もっと進めるかな

もっと愛せば
もっと近づけるの

もう終わりだと
もう戻らないと

分かっているから
もう諦める

言い聞かせるから
もう忘れる

手を離して
思い出も手放して

新しい何かを掴むために

幸せの種は
自分の手で撒く

新しい風は
自分にために吹く

幸せな私は
自分であり続けること