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艱苦 [12月]

零れ落ちそうな紅唇から
飾り立てるような嘘で彩る

虚構が輝いて見えて

それでいいと
それが欲しいと

手を伸ばしたら
指で触れたら

簡単に溶けて
束の間に消えて

夢から醒めた現実は

認められずに
諦めきれずに

虚脱した身体が
未だ忘我の心が

彷徨ったまま
悲鳴を続けている

眼を閉じれば
耳を塞げば

心を閉ざせば
愛を語れば

救われるだろうか
赦されるだろうか

全て嘘だと知りながら
真実に背きながら

唇から滴り落ちる嘘を
指で拭えば

指から零れ落ちる愛を
心に終えば

もう傷つかない
もう悲しまない

何度誓おうとも
何の決意にもならず

凄然たる炎を指で触れれば
熱も感じず

犀利な針で指を刺せば
痛みも感じず

自分が何者なのかさえ
誰も教えてはくれない

自分が生きているのかさえ
何も証明にはならない

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