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露滴 [11月]

滴り落ちる雫は
止め様もなく

満ち溢れては
零れ落ちる

触れる全てを
濡らしながら

手放した全てを
滲ませながら

何度だって
諦めようとした

幾度となく
堪えようとした

求めていると
欲していると

気付いていても
知っていても

認めたくはなかったから
知りたくはなかったから

どうやって
止められただろう

どうやって
逃れられただろう

自分を追い詰めるほどの
強い欲望に

自分を追い込むほどの
熱い衝動に

手放せるなら

とっくの昔に
手放していた

諦められるなら

最初から
諦めていた

一番辛い現実だけが

いつまでも残っては
苦しめ続ける

尤も悲しい事実だけが

どこまでも追い詰めて
甚振り続ける

求めてはいけないと
欲してはいけないと

抑えられなくなった
今更になって

堪えようのなくなった
この期に及んで

ここまで来て
諦めることなんて

もうできないから

もう手放すつもりはない

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