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愛撫 [07月]

逢えない時間は
訳無く業を掻き立てる

その肌もその声も
あなたの全てを
自分のものにしてしまいたくて

ずっとこれがほしかったから

陽が昇っても
身体中に残る余韻が

抱かれた身体だけじゃなく
触れられない心まで
容易く縛り上げて

ずっとこうしてほしかったから

ここにあなたを残したまま
独り占めしているみたいに

あなたに愛された
余韻に酔う

握りしめる度に響く
衣擦れの音は

独りであることを
こんなにも強く刻みこむのに

心も身体も
自由にはならなくて

記憶の
視線が唇が指が

甘くて
愛おしくて
堪らなくて

愛し合うほどに

何も見えなくなる
意識が遠退いて行く

あなたに縋る腕が
あなたを求め啼く声が
あなたが残した痕が

こんなにも鮮明で
こんなにも放れず
こんなにも虜にさせる

あなたさえいれば

もう何もいらないと
もう何でもすると

誓ってしまいそうなほど

全てが溶け合うほどに
全てを重ね合って

初めてあなたの気持ちを知った
あなたに愛されていると知った

あなたのいない時間は

どうにかなりそうで
どうかなってしまいそうで

再びあなたを求めて
蠢き始める

そして救いを求めて
彷徨い始める

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