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淅瀝 [04月]

大きな樹は
高く空へと聳え立つ

生い茂る葉は
青々強い輝きを増して

季節が廻れば
光と共に

色も輝きも
変わって往くのに

それでもまた
同じ季節がやってくるから

此処で生きることを
やめることさえ出来ない

煌びやかな折節を
何度繰り返しても

遣瀬ない落葉が
幾度眩めいても

力強い幹から
伸びる枝には

今年もまた美しい緑が
心までもを彩っていく

迸るような命の輝きに
瞬きさえ出来ぬほど

幾ら魅了されたとしても
どれ程心囚われたとしても

我身から落ちた葉さえ
生き永らえる糧として

生きなければならない現実が
生かされている毎日を

見詰めることしか出来ない
佇むことしか出来ずにいる

散る葉を止めることも出来ず
自分だけが残らざるを得ず

時間の流れだけを見詰めては
涙を溢す手立てさえ知らない

後どれくらい
こうして生きるのだろう

まだどれほど
生き続けるのだろう

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