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薄膜 [01月]

泣きたいのに泣けなくて
叫びたいのに声が出ない

苦しいと
助けてと

言えたなら

どんなに楽になれるだろう

泣くことさえ
声を上げることさえ
生きることさえ

赦されていない

何も自由にならない

これは何

いくら考えても
答えなんて見つからなくて

それでも
足掻くのに

どうしようもなくて

真っ暗で
身動きも出来なくなるほど

目の前が真っ暗で

独りで蹲り
膝を抱えるしかなくて

途方に暮れて

誰も何も
思い当たらない

ここに生きているのか
分からなくなるほど

ここはどこ

僕は誰

僕は呼吸をしているだろうか

痛みも
悲しみも
苦しみも

感じない時空を
探していたはずなのに

ここは辛い

すべてを投げ出してしまいたくなるほど
すべてを壊してしまいたくなるほど
すべてを放棄してしまいたくなるほど

自分を傷つけてもいいから
他人を傷つけてもいいから
殺めてしまってもいいから

そう思うのに
そう感じているのに

それを選択できない

捨てたはずの心が
まだバカみたいに

葛藤していて

何をどうしたらいいのかを
こんな状態になっても

まだ探していて

自分を傷つけても
相手を傷つけられなくて

自分が苦しむしか
方法が見つからなくて

吐き出したくても
吐き出せない

今はあまりにも辛すぎて

どうしたらいいのか

誰に聞いたら
教えてくれるの

自分で判断できる力なんて
残ってない

絶望は
僕に何を与えようとしているのか

それを
知ったところで何になるのか

答えに辿り着かない問いが
自分を縛りつけるみたいで

簡単に割り切ってしまえばいいのに

何度もそう思った

いずれこの状況から逃れられる
答えなんて簡単に見つかる日が来る
答えなんてなくても生きていける

そんな日が
本当に来るだろうか

そうだとしたら
僕は待つしかないの

雨は止まない
風が吹かない
音も聞こえない

何もない

全てが思いのままにはならなくて

何も手に入らない
何も心に触れない

心は閉ざしたまま
生温かい空気すら止まったまま

纏わり付くのは

僕の思い
過去へのこだわり
擲ったはずの希望
朽ちた未来
感じない瞬間

何が正解なのかは
自分で答えを出せばいいのだろうけど
出したがらない自分がいる

何も考えなくても
時間は進むし

何を考えていたのかすら
思い出さずに済む

それでもここに拘って
手を拱いているのは
誰のせいでもない

何を求めているわけでもない
止まったままの僕のわがまま

そう
なのかな

そう
だよね

そう
だとしても

もう少し

このままで

僕には
この空間が
この時間が

今という瞬間が必要だった

まだ動き出せないけど

何かに決着をつけるために
自分で前に進むために

すべてをやめてしまう前に
立ち止まって

何も見えなくなるくらい
何も感じなくなるくらい

全てを失ってもなお

取り戻す必要なんてない

生きていくことを
頑張らずに

ただ立ち止まるだけでいい

いつか
自分の呼吸が聴こえる

涙が溢れて
言葉にならない声が出せる日が来る

どれだけ時間がかかるか
分からないし

見えないものに縋るほど
怖いものはない

それでも間違いなく

今日とは違う明日に
動き出せる日が来るから

それまで
そのまま

僕のままで

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