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怯懦 [09月]

あいつはどんな声で
あなたに囁くの

あいつはどんな瞳で
あなたを見詰めるの

あいつはどんな言葉で
あなたを彩るの

どうして
あなたをそんなに
幸せそうな顔にできるの

どうして
僕にはそれが
できないのかわからない

自分の何が間違えていて

自分に何が足りないのか

いくら考えても
答えが見つからない

欲しいのは

人から羨ましがられるような
ものではなくて

願うのは

誰かから誉められるような
ことではなくて

あなただけなのに
他に何もいらないのに

あなたが遠くて
ずっと届かなくて

たったひとつ

望んだものさえ
手に入らない

たったひとり

願った人さえ
触れられない

僕の行く先に

あなたがいないことだけは
確かで

あなたの未来に
僕の存在などないのだと

それがこんなにも
僕自身を苦しめる

愛したあなたの

姿が
声が
温もりが

今も忘れられない

たった一度だけ
交わした記憶は

今でもこんなに
美しくて

思い出が涙と共に

少しずつゆっくりと
滴り落ちる

これ以上

零れ落ちないように
流れ落ちないように

拭っても
堪えようとしても
何をしても

止めることができない

どうすればいい

どうしたらいい

あなたを傷つけたら
この想いが
救われる日が来るだろうか

僕が傷つけば
この想いに
終りを告げる日が来るだろうか

あいつに向けられる
あなたの微笑みが

僕を苦しめるための
道具でしかない

壊れゆく様が

勇気を持たない
僕をよく表していて

破滅へ向かう途を
進めというのなら

きっと
逃げ出すことはない

あなたを失うような
他の途を
選択することはできないから

それでも
あなたの幸せを
奪うことはできなくて

交わり様のない想いは
僕を苦しめ続ける

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